[蓮花]郭震
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蓮花 簡訳: 潤い香る顔にはいかにも情があるように見える、 敢えて世間に何物かが彼女の軽やかさに比べられるかを問いかけてみたい。 雨上がりに湘姫(中国歴史物語の中の美人)が池のそばに来たとき、 ちょうど水晶が碧玉の盤中に転がって遊ぶのをみた。 |
[秋出夜坐]趙雍
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秋出夜坐 簡訳: 深しき夜の中、静まりかえった庭園の中から、 明月が空を流し、数え切れないほどの影が横たわるのがみえる。 そこに二、三苞の蓮の花が居座って語り合っている。 紅の衣が降り散ったときは、涼風が秋を告ぐ頃でしょう。 |
[州宅堂前荷花]范成大
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州宅堂前荷花 簡訳: 凌波の仙子は静けさの中で芳香を放ち、赤頬を扮しながら酔い姿を見せる。 曙の露を存分に咲き受け入れるのに、夕日には無情にも顔も向かぬ。 泥根っこのまゝに蓮花は玉雪のように無瑕である。 風は青き葉っぱを揺らぎ、香りが漂う。 石湖にはいまや丁度花が咲き乱れ頃よ。 天に接しているような雲彩を背景に漕ぐ船にはいっそう涼しげを感じられる。 |
[紅白蓮]楊萬里
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紅白蓮 簡訳: 同じ池塘に白赤の蓮花が半分ずつ咲舞う。 色は違っても香りが同じ。 それはまさに漢の宮殿にいる三千もの御姫のように、 半分は厚化粧で半分は素化粧。 |
[蓮花]李東陽
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蓮花 簡訳: あの峰のように十丈もの高さの紅花をみたか、 芳ばしき想いを江風に伴って書き残し、別れを惜しむ。 翡翠の髪留めと金鈿を飾り、明巒鏡を映しているような姿は、 まるで水中から現れてきた湘姫のように美しい。 |
[採蓮曲]熊卓
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採蓮曲 簡訳: 蓮を採るよう採るようしているうちに、水中に盈々とした跡ができた。 鴛鴦が蓮の葉っぱを軽く触れては飛んでゆき、一粒一粒の露のみ転がってくる。 |
[詠芙蓉]沈約
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詠芙蓉 簡訳: 微風が紫の葉っぱを優しく揺すり、朱色の蓮の房を露が軽く触れてゆく。 中池にこれらのために輝く緑には、我(蓮の花)の赤光が放つのが待ちかねぬ。 |
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